ポジション/足つき/取り回し
DRZに乗り始めてから、中型以上のネイキットは皆、乗車した時点から重く感じるようになった。しかしこのマシンはさほど重さを感じなかったので、直4の750としてはかなり軽快なのかも。
ポジションもさほどきつくなく、ノーマルのZ750(僕はアップハンドルに交換した)よりアップライトな気がする。
タンクの前方はかなり幅広だが、後端はかなり絞られている。同様にシートの後方は広いが前端は絞られているので、足をついた状態での股下はスリム。よって、足つきはZ750と同等か僅かに良いかもと言ったレベル。
パワートレイン
ビックリするほどトルクフルという印象はないが、非常にスムーズ。直4特有の中速回転のガサツさがないので、何の気負いもなく軽々と加速する。パフォーマンス的にはXJ6とは段違い、Z750やFZ8より多分一枚上手といった所。
例によってあまり回してない(その必要もない)が、その範囲においては雄叫びを上げてパワーが盛り上がると言ったわざとらしい演出は無い。非常に洗練された現代的なフィーリング。名機GSR-400(61馬力仕様)と並ぶ、ベスト直4エンジンではあるまいか。
ハンドリング/乗り心地
車体構成はZ750/1000と同様、ストリートファイター系に属すると思う。つまり割りと前のめりの姿勢で、フロント荷重が高い感じ。だが、走ってみるとシャープすぎるハンドリングではなく、適度に軽快といったレベル。セルフステアも適切で、車体を傾けていった時に何処かで急に軽くなるとか逆に重くなるという事もない。
乗り心地も、少なくともフラットな舞洲のコース上では快適。一般道で走っても、多分Z750のような突き上げ感は無いと思う。
総合評価
ひとことで言うと、かつてのZ750の欠点を消し、全てを洗練させたようなバイク(と言っても分かる人は非常に限られるが)。
重々しいジャパニーズネイキッドに嫌気が差し、最近はKTMのビッグシングルのような弾ける興奮に惹かれていたが、ここまで完成度が高いと安楽な直4もまた悪くないなと思った。ハッキリ言って、久々に欲しくなったバイク。ただ、良い大型バイクの常でこれも逆車。つまり諸経費を含めるとかなり高い。
