ターボは燃費が良いのか悪いのか?MCタイチ [←prev] [next→]

Facebookに書いた記事を転載します。

80年代の日本車にはターボ付き仕様が数多く存在しましたが、バブル崩壊後はターボは悪燃費の象徴としてすっかり姿を消してしまいました。ところが昨今、VWのTSIのように、低燃費を売りにするターボエンジンが登場しました。ターボで燃費が良いとはこれ如何に?

昔のターボエンジンや今の軽のターボは、手っ取り早くパワーアップする為の装置として使われており、実際燃費は悪いです。一般にターボエンジンは、燃焼室が高圧/高温になりノッキングを起こすので、これを回避するためにメカ的に圧縮比を下げます。内燃機関の基本原理として、圧縮比と熱効率は比例するので、圧縮比を下げると当然燃費は悪くなります。その上、燃料の気化熱で燃焼室温度下げようと、燃料を多めに供給したので、益々燃費は悪化しました。

2012-01-09 20:12 返信 修正 削除 つぶやく

省燃費ターボの秘密...MCタイチ

では、ターボエンジンの燃費が良いとはどういう事なのか?それは先ず、同じパワー/トルクならエンジンの排気量を小さく出来るという事です。勿論、ターボやインタークーラなどの装備が余分に付きますし、高圧/高温に耐えるためエンジン自体も多少丈夫に作る必要はありますが、トータルでは軽くなります。

またエンジンには、シリンダとピストン、バルブヘッドとカム、のように擦れている部分が多くあります。エンジンが小さいと言うことは、この擦れている部分の面積が小さい⇛回転抵抗が小さい⇛無駄に捨ててるエネルギーが小さい、となるわけです。これを「褶動抵抗」が小さいと言います。

ただ、ここまでは昔からあるターボエンジンも同じです。ではTSIのような最新のターボエンジンが決定的に違うのは何か?それは「直噴」技術です。ガソリンエンジンは基本的に、混合気をシリンダーに送り込むので、これを圧縮しすぎると点火前に燃料が自然着火してノッキングを起こします。これが、ターボ車は勿論、自然吸気でも圧縮比には限界がある理由です。

しかし直噴エンジンでは、圧縮しているのはただの大気であり、上死点付近の一番圧力が高まった所で燃焼室に燃料を噴射し爆発を誘発します。よって圧縮比を高めても、予期せぬ自然着火が起こりません。これが、圧縮比を低くせざるを得なかったターボエンジンに革命をもたらしました。

ただし直噴にするためには、何百気圧という超高圧の燃料を、何ミリセカンドという精度で噴射出来る高性能インジェクタが必要です。また、瞬時に発生する燃料の渦とその後の燃焼を制御する技術も必要です。つまり、現在の高効率過給エンジンは、こうした直噴技術あってのモノなのです。

2012-01-09 20:14 返信 修正 削除

Re:省燃費ターボの秘密...MCタイチ

Re:省燃費ターボの秘密

それともう一点、あまり触れられませんが、ターボにはポンピングロスの低減という利点があります。

右図は、トルク特性と燃料消費率のグラフですが、等高線で描かれた効率のピーク(青い部分)は、所謂トルク曲線=アクセル全開時の直ぐ下辺りにあります。しかし、実際の運転ではもっとアクセル開度は小さい為、かなり効率の悪い領域で普段運転している事になります。これが所謂「ポンピングロス」、つまりスロットルを絞ることで半分エンブレをかけたような状態で走っているのです。

従って、もっと小さく非力なエンジンを積み、普段から全開に近い運転をすればロスは減りますが、それではもっとトルクが必要な時に困ります。そこで登場するのが、過給の度合いでトルクを制御しようという考え方です。と言っても、ターボの過給は基本的に回転数に比例するので、微調整は出来ません。なので、TSIではスーパーチャージャーを併用しているのだと思います。

http://www.carview.co.j・・・・・・
この記事には書かれていませんが、アクセル開度(必要なトルク)とエンジン回転数に応じて、夫々のウエストゲートとスーパーチャージャーへの駆動力を調整しているのだと思います。これによって、スロットルをあまり絞らずにパワー調節が可能になります。

2012-01-09 20:14 返信 修正 削除

Re:省燃費ターボの秘密...MCタイチ

ところでTSIの成功を見て、評論家達は「日本メーカーもターボ出せ」なんて言ってますが http://kunisawa.txt・・・ ターボ=悪燃費=時代遅れ、というキャンペーンを貼ってきたのは誰だったのかと。

それはさて置き、TSIの戦略は同じシリンダブロックに過給圧だけ変えて、多くのラインナップをカバーすること。つまり、部品共用化による利益の拡大です。また、欧州では排気量に比例して税率が変わるため、ターボで見かけの排気量を少なくするという一種のズル。

だから、状況の異なる日系メーカは安易に追従すべきではないと思います。低燃費技術は色々あり、夫々にモノになる製品を出そうと思ったら、並大抵の開発費じゃ済みません。だからむしろ、日本メーカーは「選択と集中」のセンスを磨くべきだと思います。具体的には:

トヨタ:THS(トヨタ式HV)と昔から研究してる直噴(早く出せ)。ディーゼルはBMWから。

日産:EVとGTRのような高性能過給ダウンサイジング。あとはディーゼルか?

ホンダ:電動アシストHVと小型・高効率なガソリン機関。FCVからは撤退すべし。

三菱: 重工や電機が手がけるインフラの一部としてのEV。あとは日産の軽部門。

スバル:トヨタのスポーツ/上質モデル担当。ボクサーエンジンの開発。

ダイハツ:勿論、トヨタの軽部門。軽規格が無くなったら、グローバルスモール。FCV開発は売却。

スズキ:インドの王様。

マツダ:売りが何もない(ToT

今の時代当然ですが、何でも自社開発しようとせず、足りないものは他社から購入すべきです。逆に、社内で要らなくなった部門は他社に売却。

2012-01-29 01:47 返信 修正 削除

Re:省燃費ターボの秘密...MCタイチ

上の記事を多少改造して、モーターサイクルのページに新たな記事として掲載しました。
http://www.mc・・・

2012-03-04 05:49 返信 修正 削除

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