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PCX(2代目)のタイヤ選び2016-08-02

純正タイヤ(IRC SS-560)のリアが8000kmを前にしてスリップサインどころか中央部分がスリック状態になってしまったので、ソロソロ本当に交換しないと不味そうだ。そこで次期タイヤ候補について、ネットや店頭で情報を集めてみた。

純正タイヤについて

御存知の通りPCXは、14インチという大きなホイールに90という細めのタイヤを履いていおり、これが転がり抵抗の低減と車体の安定性に貢献していると考えられる。実際、ハンドリングは軽快かつ自然なセルフステアだし、非常にスムーズで滑るように転がる。しかしリーンが余りにも軽くて不安感があるし、グリップも心もとない。

もっとも純正タイヤでしか走ったことがないので、この特性が何処までタイヤのせいなのか、何処まで車体のせいなのか判らないが、見た目にも細い純正タイヤを幅広・扁平な形状かつハイグリップなコンパウンドのタイヤに交換したら、安定感や接地感が増すのではないかと考えている。

また僕の場合、坂が多い所に住んでいるのとヘビーな体重のせいか、同じバイク・同じタイヤなら大抵人よりライフが短い(因みに燃費も悪い)のだが、それでも8000kmで丸坊主(リア)というのは流石に短命過ぎると思う(因みにフロントは未だ3部山くらいある)。だから次期タイヤはもうちょっと長寿じゃないと困る。

PCX用タイヤ 各ブランドの評判

PCX用のタイヤは特殊なサイズにも関わらず、ほぼ全ての主要メーカーから発売されている。流石人気車種、DRZとは大違いだ。以下にネットでチェックした各製品の評判についてまとめた。

ピレリ Diablo Scooter

プロファイルは偏平で幅広。構造も高剛性でコンパウンドもハイグリップなので、どっしりガッチリの安定感。純正の対局。ただ、乗り心地は硬いらしい。また、ライフはかなり長いようだ。価格は一番高い事が多い。

ミシュラン City Grip

ピレリとは逆でプロファイルは細身で尖った形状。よってハンドリングは純正の軽快感を維持しているという。構造もピレリとは逆で恐らく最も柔軟。よって乗り心地は良好。

深く広い溝のおかげで、ウェットグリップは非常に良好で純正の対局。ドライでも純正よりはハイグリップだという。ライフも欧州メーカーらしく長いらしい。値段は通常、ピレリに次いで高い。

ブリジストン Battlax SC

一般的にハイグリップとの評判だが、ウェットではグリップしないという人も居る。逆にドライグリップは純正と大差ないがウェットグリップは明らかに上という人も居て混乱する。

乗り心地は純正やピレリよりは良いみたい。ライフは凄く長くて純正の2倍持つという人もいれば、純正と同じくらいという人も居てこれまた評価が一定でない。値段は同じ店の通常価格なら純正を除いて一番安い事が多い。

ダンロップ D307

小型スクータ用としてポピュラーらしいが、PCX用に関しては他の製品と較べて情報が少ない。ただ僕の知り合いで旧PCX150に10万km近く乗った人が居て、あらゆるタイヤを試したけどこれが一番トータルバランス良好らしい(ライフもグリップも)。ただその人は他のタイヤの評価が世評と大きく違うので何とも(;´∀`)

店内比較

PCXタイヤというわけで、バイク用品店ではこれまでに何度も見ているけど、ブランドによってプロファイルがかなり違う。写真は全て純正以外のPCX用タイヤだが、同じサイズ表記とは思えないほど幅も形も違うのが判るだろう。

主にリアで比較して一番皆幅広・扁平なのが一番左のピレリ。隣のミシュランは逆に細くて、一番純正のIRCに近いと思う。更に右のBSはピレリに次いで幅広・扁平。そして一番右のダンロップは幅もプロファイルも中間的だと思う(写真ではレンズの歪でやや幅広に見えるが)。

更に細かく見ていくと、BSのリアタイヤだけが他のリアと較べて外径が小さい。ミシュランと比較すると直径で10mm強小さく見える。ただミシュランはタイヤ単体だとリムの部分がかなり狭いので、ホイールに装着した状態を想定してちょっと広げてみると、扁平なプロファイルになり幅も若干広がる。ただ外径は殆ど変化しないようだ。

一方BSは逆に、中に入ってるダンボールの型を外しても、まだ若干ホイールのリムより広いように見えたので、少し狭めるとプロファイルが尖って直径もやや大きくなった。ただそれでも、ミシュランの外径より5mmは小さく見えるのだが何故だろう?

次に触った感触を比較してみる。先ずピレリは構造的に明らかにガッチリしていてコンパウンドも硬い。逆にミシュランは構造的に柔らかく、コンパウンドもしっとりトレッドゴムの厚みもあるので弾力性がある。しかも新品タイヤなのに表面が剥離剤でつるつるではなく、皮むきが終わったかのようにザラッとして指に吸い付く感じ。

BSは構造的に特に硬くはなく、コンパウンドも硬さは普通だが、トレッドゴムの厚みが薄いように感じる(溝も浅い)。そして表面は新品らしくツルツルで、触った感じのグリップ感は一番希薄。最後のダンロップは構造的にもコンパンド的にもやはり中間的。ただトレッドゴム厚はミシュランに次いで厚いような気がした。

スペック比較

ここでスペック上のサイズを調べて比較してみた。まずはフロントタイヤから。但し、ピレリだけは公式サイトでも全くデータが無かったので載せていない。

ブランド モデル外径(mm)トレッド幅(mm)標準リム幅(inch)許容リム幅(inch)
IRC SS-560(純正)520872.151.85-2.50
BS Battlax SC(バイアス)520902.151.85-2.50
Dunlop D307 F/A519892.151.85-2.50
MICHELIN CITY GRIP518902.151.85-2.50

数値上 殆ど差はないが、実物の見た目も差がないので納得。

次に見た目に大きく違うリアは、さぞかし数値も違うと思いきや…

ブランド モデル外径(mm)トレッド幅(mm)標準リム幅(inch)許容リム幅(inch)
IRC SS-560(純正)535982.502.15-2.75
BS Battlax SC(バイアス)5361002.15※2.15-2.75
Dunlop D307 F/A5351012.501.85-2.15※
MICHELIN CITY GRIP5361012.502.15-2.75

※サイトに記載されたとおりだが、明らかにおかしいので恐らくミス表示。

意外にも殆ど差が無いではないか!まあ純正が細いのは判るけど、それでもたった数ミリしか違わない。ミシュランより明らかに外径が小さく見えたBSも数値上は同じ。幅に関しては1mmながら細いという不思議。ウ~ン、ホイールにはめて空気を入れると、どれも同じような形とサイズになるということか?

まとめ

というわけで、これといった決め手に欠けるが、先ず乗り心地が硬いのはどうやら間違いないピレリは除外。ダンロップは個人的に良い思い出がないし、それを覆すような情報もないので取り敢えず除外。

あとは世界市場の構図と同じ、BSとミシュラン対決。ミシュランはトータルバランスが良さそうだけど、個人的にはPCXにもう少し安定感が欲しいと思っているので、似たプロファイルとハンドリングは避けたい。というわけでBSが消去法で残った次第だが、これも実際の値段や工賃によって土壇場で逆転しそう。

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