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Korgデジタルピアノ・レビュー

【公開】2013-03-13 【修正】2013-10-27

歴史・総論

Korgは元々、デジタルピアノのイメージは薄く、シンセ専業メーカーという感じでした。ところが今世紀に入ってから、おそらくCasioの成功に触発されてデジタルピアノをラインナップに加えるようになりました。と言っても機種はあまり多くないのですが、カシオに勝るとも劣らないほどコストパフォマンスが高いのが特徴です。

コルグの基本的な音色はやや固めで、良く言えばきらびやか悪く言えばカリカリと言った感じです。また、コルグシンセはデザイン・インターフェイスがとてもクールですが、デジタルピアノについてはその特徴があまり反映されていません。

しかし、その最大の特徴は一部のモデルに採用されるRH3(リアルハンマー3)という鍵盤で、そのタッチは同価格帯では勿論、10万円クラスと比較しても傑出していると思います。

試奏レビュー

SP-170

音質

サンプル波形云々以前にビリビリとチープな音を出して、まるで子供向けのキーボードのようです。ヘッドフォンで聴いたことはありませんが、Korgサイトのデモソング(恐らくライン録音)を聴くとそんなに悪い音ではないので、スピーカーの問題のような気がします。

鍵盤

先ず白鍵の材質が薄っぺらい感じで弾くとカチャカチャ音を立てるように感じます。タッチもぐにゃっとふわっとしたスポンジ系ですね。もっとも、コルグの他のピアノ鍵盤が良いので相対的に悪く感じるのかも。この価格としてはまあ妥当かもしれません。

総評

定価自体、国内ブランドで最安値だと思いますが、2013/3月現在SH価格が25,500円というブッチギリの安さです。音もタッチも価格なりという感じですが、外部スピーカーを使うとかMIDIキーボードとして他の音源を鳴らすなら、最も安いピアノ鍵盤キーボードでしょう(多分音源無しのピアノ鍵盤キーボードより安い)。

SP-280

音質

前モデルSP-250は、中高音域がコンコンとまるで鉄片を叩いているような音ようだった事を思えば雲泥の差です。

サンプル波形を贅沢に使ったような、非常に解像感の高い音です。傾向としてはHiよりのきらびやか音なので、特に低音部の音が非常にリッチです。一方、高音部はカリカリしすぎてやや音やせ感が無くもないですが、音数が多いと気にならなくなるレベルです。

また、オルガンやエレピの音も気合が入っていて、10万円以下のデジタルピアノの中ではダントツに良いと思います。

鍵盤

これは残念ながら、SP-250より悪くなっています。仕様を見たら、あの素晴らしいRH3鍵盤ではなくSP-170と同じNH鍵盤でした。クリック感や質量感があまりなく、奥に行くほど反力が強くなるスポンジっぽいタッチです。何だかキーストロークも短く感じられ、逆に床についてから結構グニャッと沈むこむ感じです。

構造・形状

SP-250もそうでしたが、家庭向き電子ピアノとしては特殊でステージピアノ的なコンセプトなので、ヘッドフォン端子とは別のラインアウトを持ってたりします。

また、付属のスタンドというか足は、ボディーに突き刺す構造になっているので、旧モデルより構造的にシンプルで重量も随分軽くなったようです。だから、一般的なステージピアノ+汎用キーボードスタンドより大分軽いと思われ、外に持ちだして演奏するという用途にも意外と適していると思います。

ボディーは鍵盤の両サイドが丸く飛び出た形状なので、全体の幅がちょっと広めになります。奥行きも割りとあるので、重量が軽い割にちょっと大柄でややモッサりした形状です。

総評

音が格段に進化し、実売5万円クラスではダントツのクオリティーです。これがRH3鍵盤だったらダントツオススメ、個人的にも買ってたと思います。それだけに、鍵盤が退化してしまったのは非常に残念です。

LP-350

音質

サンプル波形的にSP-170世代なので、解像感が低くあまりリアリティの無い音です。中高音部のコツコツ音という特徴も少し感じられます。

ただ、スピーカー低音重視で篭った音なので、怪我の功名的にカリカリした音質を中和しています。よく言えばマイルド、悪く言えばモッサリでしょうか。

ヘッドフォンで聴くと篭った感じが若干マシになります。解像感(繊細さや華やかさ)はないけど、耳障りでもない。まあ、可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。

鍵盤

これぞ正しく銘器RH3鍵盤です。適度な質量感を伴い、キーがストンと落ちて床での鍵盤保持力が弱い。強く弾けば重く、弱く弾けば軽く感じる理想のタッチです。鍵盤の材質も、アイボリーフィール的なものでは無いのですが、しっとりしていてカチャカチャした所がありません。この鍵盤のタッチに相当するデジタルピアノは、この価格帯では勿論、15万円を超えないと無いと思います。

構造・形状

据え置き型のデジタルピアノでは所謂スリムタイプに属し、奥行きがとてもコンパクトで蓋を閉めるとほぼ真四角の形状になります。ただ、足の下の部分が奥に伸びているため、壁に密着して置くことはできません。これは多分蓋を開いた時に垂直よりもやや後ろに傾くので、そのための空間を設けたのでしょう。

カラーバリエーションは珍しく4つもあって、一般的な白黒の他にショッキングな赤とシックなアイボリーが選べます。僕は断然アイボリーがお気に入り。でもSHではもう無くなってる(・_・;)急がないと手にはいらないのか?

総評

このモデルは確か発売開始が2009年2月頃で、商品サイクルが短いデジタルピアノとしては異例に長寿です。だから「鍵盤は文句ないけど、音はもっと改善されないかな?」と思ってニューモデルを待っていたら、出てきたのは上記のSP-280。ひょっとして、RH3鍵盤はもうこの価格帯の電子ピアノには採用されないのでしょうか?

そう考えると、今のうちにこれを買っとくべきなんじゃないとか思ったりします。音源は高品位なPCベースのソフトシンセを使うという前提で、高品位なMIDIコントローラとして考えても充分リーズナブルな商品だと思います。

LP-380

音質

流石KORGの最新ピアノ音源!LP-350とは解像感が違います。商品ページのサンプル演奏を聴いての通り、きらびやかな高音とリッチな低音、これぞ正しくスタインウェイ(風)です^^;今回から出力アップしたスピーカーは、聴覚上のパワーもかなり上がっていて、特に低音が凄いですね。

ただよく聴くと、ちょっとバランスが低音に寄りすぎみたいで、右手のパートが相対的に弱い気がしました。更によく調べてみると、中央のCから1オクターブ高いCの音(C5とする)付近がどうも貧弱なんですよね。音量もそうですが音質的にカリカリと厚みがなく、サスティーンも短いような。更に高い音域になるとキラキラとよく響くので、問題はC5付近だけです(だからよけいに目立つ)。

実はこの傾向はLP-350でも感じたのでKORGの持病なんでしょうか?ただ、上向きスピーカタイプのSP-280(恐らくサンプル波形は同じ)で確認したら、それほどC5が弱いとは感じなかったので、スピーカー(ドンシャリ?)の問題もあるかも知れません。だとすると、ヘッドフォンで聞いたり、ラインアウトで録音するという使い方を前提にすれば、さほど大きな問題ではない事になります。

ただもう一点、ベロシティーに対する音色変化は殆ど無いように感じます。音量は勿論変化しますが、その変化幅はやや狭いような・・・。よって、どう弾いても非常にゴージャスな音はしか出ないという^^;ヤマハのアップライトピアノみたいな楽器ですね。

鍵盤

これは先代と変わらずRH3鍵盤なのでタッチは文句ありません。敢えて難点を言えば、やはりツルツルの白鍵でしょうか?この価格帯でもマッド仕上げのさらっとした白鍵が増えてきてる事を考えると、KORGもこのRH3鍵盤のアクションはそのままに、そろそろ白鍵をマッドにしても良いのではないでしょうか?

形状、構造

相変わらずスリムな奥行きで、蓋を閉めると真四角・真っ平らになるのは素晴らしいです。ただ、後ろへの転倒防止のステーが以前よりもちょっと伸びてるような。折角のスリムボディも、壁から10cm近く開けなきゃいけないとは惜しいです。それとも後ろに壁がある場合は、ステーは付けなくても良いのかな?

あと、操作パネルが左側に集中していますが、これは多分内部の配線を短くする為じゃないかと思います。基本的に左手だけで操作することになりますが、特に使いにくいとは感じませんでした。

総評

従来のLP-350は鍵盤は申し分ないに音は貧弱だったのが、今回のLP-380はその音が一気にグレードアップして死角なし!・・・と思いきや、よく聴くと音にちょっと問題が(*_*; という訳で、個人的に今度買うのはこれと決めていたのが、また振り出しに戻ってしまいました。まあ、この価格で何もかも満足できるというのは無理なんでしょうけど。

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