北海道縦断(全9巻)
○公開:2009-11-18 ○修正:2009-11-20
中川~石狩川
非常に快適な宿に泊まってゆっくり休んだので、大分体力が回復してきました。
ただ、チェックアウトの時に少々トラブルが。支 払いに僕の持っていたマスターカードが使えないとの事(JCBのみOK)。実は昨日から現金をおろし損なってキャッシュが足りないのです!聞けば、この街には金融機関は名寄信用金庫のみで、コンビニはあるけどATMがないとの事。やはりここは東京ではない事を思い知るのでした。
でも、請求書を出すから後で振り込んでくれれば良いとの事だったので、そうさせて頂きました。太っ腹なホテルです。しかし、これから先ずっとお金を下ろせないとすると・・・飲まず食わず旅ってことですか?!
一抹の不安を抱えながら、小降りの雨の中を出発。今日はハイライトのオロロンラインと言うのに何と運が悪い事でしょう。とは言え他に行くところも無いので、予定通りR40で北を目指します。
途中で石狩川を渡る橋があるのですが、あらためて見る石狩川は川原が湿地のようなワイルドな原生林。砂地の川原や何かしら人工物がある本州の川とは一線を画しています。
川を越えてすぐ左折して、西のオロロンラインを目指します。泣きそうなくらい人気の無い牧場を抜けしばらく行くと幌延ビジターセンターというのがありました。
オロロンライン五里霧中
しばらく行くとお待ちかねのオロロンラインに突入です。でも見事に霧の中で、海はおろか目の前の道もちょっと先までしか見えません。時々車やバイクが霧の中から突っ込んできます。
とは言え、先に進むにつれ徐々に視界が晴れて来て、間もなく何処までも続く真っ直ぐな道が見えてきます。まあ、晴れてるのがベストですが、曇りのオロロンラインも十分広さを感じられるし幻想的で悪くないです。 確かに何も無いですが、殺伐としているとか寂しい感じはありませんでした。
稚内近辺
オロロンラインの終わりの方、稚内近くに来ると何と空が晴れてきました。ただし利尻島は見えません。もう少し待っていればオロロンラインも晴れたのだろうか?しかし、確かめに戻る時間は無いので先に進みます。
迷っ たけどノシャップ岬には行くのは止めて、稚内港に向けて内陸部に入ります。途中でSeicomart(北海道最強のコンビニ)があったので、飲み物を補給 しに入ります。ATMがあったので試しに東京三菱のカードを差し込んだら、何と!お金が下ろせるではないですが。こんな最果ての見慣れぬコンビニで・・・ やるな稚内。
稚内港を過ぎると宗谷まで海岸線の道です。なんかノロノロのペースですが、何処かにハンターが潜んでいても困るので、そのまま付いていきます。
宗谷丘陵
宗谷岬の少し手前で内陸部に入る道が見えたので、宗谷丘陵の入り口だと思い入ってみると、途中で林道になってしまいました。僕のお得意の迷子パターンです(写真上)。さすがに大型バイクなので深追いはせず、再び海岸線に戻ってしばらく走るとありました。宗谷丘陵という立派な看板と立派な道が。
やがて目の前に広々とした丘陵地が広がり、そして海が見えてきました。空もすっかり晴れて気持ちよいことこの上なしです。さしずめ北海道のヴィーナスラインと言った感じでしょうか。でも、本家長野のそれはもっと山々していて、土産物屋等で多少ゴチャゴチャしてるのに対して、こちらはもっとフラットで人工物が殆ど無いすばらしいところです。
この丘陵の突端に行くと幾つかのモニュメントや最北端食堂があります。展望台から海の方を眺めると、何とすぐ足元に宗谷岬があるではないですか。しかしそこは単なる道の途中の駐車場で、あの三角の最北端モニュメントがあるだけの所です。
良く見ると複数のライダーがそのモニュメントの前にバイクを置いて記念撮影をしていますが、それが終わるとそのまま海岸線の道を反対方向に去っていくだけです。おお、何ともったいない!近くにこんなに良い景色があるのに。
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左の塔は平和のモニュメントみたいな感じ。 |
手前に写っているのはもしかしてトンボ? |
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まだ昼食を食べていなかったので、最北端食堂群のひとつに入り、魚介類ではなく豚丼を頼んでしまいました。でも、香ばしくておいしかったです。
2番目に最北端のトイレで用を足し、しばらく海を眺めたり周りを撮影していましたが、名残惜しくも何時かは去らねばなりません。もちろん帰り道も宗谷丘陵を通り、その後は海沿いの国道を引き返します。
宗谷~幌延
実は宗谷丘陵に入ったあたりでFUEL警告ランプがつきはじめていたのですが、もう少し粘れるだろうという何時もの考えのもと、眼下の最北端GSでは給油せずに、帰り道の何処かで給油する事にしました。
ところが、海沿いの道を引き返しても、あてにしていた集落にGSがなく、ヒヤヒヤ・ノロノロモード走行開始。何とか、その先の集落のでGSを発見しすかさ
ず入ります。店の人が僕のナンバープレートの「足立」の後にアルファベットが付いている事に大そう関心しておられました。実はここに限らず、この度の旅で
全国何処でも珍しがられました。
心配の種も1つ減って再スタート。ここからは一応帰路ですが、全く同じ道を引き返すのも能が無いので、稚内までは戻らず宗谷湾の中央付近で内陸に入ります。
ここから先は特に観光地は無いのですが、緩やかで広大な丘陵地帯が広がります。ある意味他の有名エリアより、このあたり道北が最も北海道らしい景色じゃないでしょうか。(少なくとも僕のイメージ通り)
そ れでも、やはり距離は相当長く、ようやく幌延町のトナカイランドに到着。動物園は閉まっていたけど、レストランは空いていたのでちょっと休憩。ソフトク リームを頼んだら、大きなワッフルコーンにたっぷり入っていてズッシリ重い。味もクリーミーで上質。こう言う食生活をしてるから北海道でかなり太りまし た。
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![]() 特大ソフト(北海道では標準サイズ)。内装はトナカイらしく年中クリスマスモード。「きっと君は来なーい♪・・・」 |
幌延~天塩川温泉
もうあたりは薄暗くなって来たけど、今日の宿はまだまだ先の天塩川温泉。先を急がなければ。
すぐに朝通った天塩大橋に差し掛かり、あとは同じ道を引き返すだけ。知ってる道なので気が楽とも言えるが、「まだあんなにあるのか」ととも言えます。
ところで、走っていると体にピチピチ何かが当たるのを感たので「あ、また雨が降ってきたか」と思いきやどうも様子が違います。ズボンは濡れてないし、ヘルメットのシールドに黒い斑点が・・・そう雨じゃなくて虫でした。実はこの日ばかりじゃなく、北海道の夕方は雨でなければ必ず虫が当たってきます。なんでわざわざバイクに向かって突撃して来るのか?といぶかりましたが、良く考えると虫が群れてるところに僕が突っ込んで行ってるだけの事でしょうか。
そうこうしてると、昨晩泊まった中川にさしかかったので、立て替えてもらったホテル代を返しに行こうかと一瞬考えましたが、そんな時間的・気分的余裕も無く、先を急ぎます。
谷あいの道を抜けると音威子府。そこまで来ると今日の宿はもうすぐ。天気も晴れてきて夕焼けの中を天塩川温泉 に到着。設備自体はちょっとくたびれた会社の研修センターみたいですが、食事はたっぷりです(特に御飯)。
さすがにさっきの特大アイスの後なので残しましたが。それと結構広いコインランドリーがあったので溜まった洗濯物を一気に洗濯できました。