HEAD Extreme MP 2020::MCタイチ.com

Slim gut by tennis

ラケットインプレなど

HEAD Extreme MP 2020

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HEADというブランドは地味なジョコビッチがイメージリーダーなのと、硬くて飛ばないという世評だったのでこれまで試打せずじまいでした。そんなある日、グレーにイエローという素晴らしくクールな配色の製品が出たと知り、Youtubeのレビュー動画では割合打ちやすそうに見えたので試打する事にしました。

試打レビュー

持った感じと振った感じは近年の厚ラケらしくトップヘビーですね。軽量モデルのように軽いけどトップヘビーなのではなく、重量もソコソコある上にバランスがトップヘビーなのでスイングウェイト結構大きい方だと思います。例えば同じ黄金スペックに属するEZONE100や最近出たFX500と比較しても若干トップヘビーに感じます。

しかし打ってみると、ブランドイメージとは裏腹に打感は柔らかくホールド感も良好です。EZONE100やClashなど、ホールド感やしなり感のある厚ラケは最近増えましたが、このラケットはガットがボールを掴んでいる感じが一番強いです。かなりパワフルだしスピンもかけやすいです。褒めすぎかも知れませんが、CLASH100の柔らかさとパワーアシストにインフォメーションの豊富さを加えたラケットと言えるでしょう。

ただ問題はスウィングウェイトの重さです。HEADのラインアップの中ではこのエクストリームはスピンを売りにしたモデルらしいので、縦振りでグリグリ擦り上げようとしましたが、ヘッドが重いので大してヘッドスピードは上がりません。とは言え、フラット系で分厚く当てもピュアドライブのような破綻は無いので、無理に擦り上げなくてもゆったり押し出すように振ればパワーもスピンも十分なボールが打てます。

ただ折角スピン自慢のラケットなのだからバックスピンやサイドスピンも多用して相手を翻弄したいです。また私は普段トップライトなラケットで振り抜くスイングをしているので、それをセーブするようなスイングは逆に難しいとも言えます。特にサーブは自分の力だけでスピードもスピンも生み出さないといけないので、ゆったり振る訳にはいきません。結果的に腕に負担がかかって疲れやすく感じてしまうのです。

ボレーは振り抜く必要は無いので、重めのラケットでも何とかなるケースが多いですが、このラケットはそれでも重すぎるのか取り回しが悪く感じました。

尚、試打ラケットに張ってあるガットはトアルソンのシンセ130というもので、反発力と耐久性と経済性をバランスしたナイロン・モノフィラメントだそうです。言い方を換えると突出した性能は無さそうなので、上述のパワーと掴み感はラケット自体の性能だと思われます。

HEADのラインアップ

今回初めてHEADのラケットのラインアップを調べたのですが、種類が多くてややこしいので整理してみました。

先ず製品名としては6つあり、パワーアシストが少ない(よりパワーヒッター向けの)ものから順に;

プレステージ>グラビティー>スピード>ラジカル>エクストリーム>インスティンクト

となるそうです。ややこしいですね(;'∀') 名前ではどれがどうなのか想像できません。ざっくり言うと、左のものほどフェイス面積が狭く、フレームが薄く、ストリングパタンが密に(同じ本数なら中央に集中)なっていくようですが、夫々コンセプトの違いもあるので単純に右に行くほど簡単という訳でもなさそうです。

そしてそれぞれの製品名の中に;

Pro>Tour>MP>MP lite>S

というグレードがあって基本的に右へ行くほど軽くなります。物によってはフレームが分厚くなったりフェイス面積が大きくなったりします。ようはより易しくなっていく方向です。

更にわかりやすくする為に、以上を表にし各モデルの欄にスペックの一部を記載しました。(上段:重量/バランス 中段:フレーム厚 下段:フェイス面積)

  プレステージグラビティースピードラジカルエクストリームインスティンクト
Pro 315g/315mm
22mm
95 in²
315g/315mm
20mm
100 in²
310g/315mm
23mm
100 in²
310g/315mm
20/23/21mm
98 in²
   
Tour 305g/320mm
21.5mm
95 in²
305g/320mm
22mm
100 in²
    305g/315mm
22/23/21mm
98in²
 
MP 320g/310mm
20mm
98 in² (※)
295g/325mm
22mm
100 in²
300g/320mm
23mm
100 in²
295g/320mm
20/23/21mm
98 in²
300g/325mm
23/26/21mm
100in²
300g/320mm
23/26/23mm
100in²
MP lite   280g/325mm
22mm
100 in²
275g/330mm
23mm
100 in²
270g/330mm
20/23/21mm
98 in²
285g/325mm
23/26/21mm
100in²
 
S 295g/325mm
21.5mm
99 in² 
285g/325mm
24mm
104 in² 
  280g/320mm
22/25/23mm
104 in²
275g/340mm
23/26/22mm
105in²
285g/320mm
23/26/23mm
100in²
Lite      265g/340mm
25mm
100 in²
    260g/340mm
23/26/23mm
100in²

空欄になっているところは該当モデルが無いという事です。左上に行くほど難しい仕様なる筈ですがスペックを見るとそうとも限りませんね。また製品名(縦のライン)ならフェイス面積やフレーム厚が同じというわけでもありません。特に※印のプレステージMPは何故かTourやProより重くて薄いフレームです。これ公式サイトから抜粋しましたが書き間違いじゃないでしょうね?

まあ同じ製品名なら下に行くほど軽くトップヘビーになり、場合によってはフェイス面積が大きくフレームも分厚くなり、良く飛んで易しい仕様になって行くようです。尚一番優しいスペックのPWRというグレードがありますが、これは他のグレードとはフェイス形状からして全く違う特殊な仕様なので、ここでは割愛しました。あと一番下の段の「LITE」というグレードも特殊で説明を読むとジュニア向けみたいです。

エクストリームMPの外観/スペック

という訳で前置きが長くなりましたが、今回試したエクストリームMPは2番目に簡単(パワーアシストが強い)な製品の中間グレードという事になります。

 

私のプロスタッフ ツアー90と比べると2回りくらい大きなフェイスですが、同じ100平方インチのラケットと比べるとやや面長に見えます。またガットの配置が中央部分で密にならず、大きなフェイスの端の方まで均等に並んでいます。これによってガットが良く動き、上述の掴み感に繋がっているのでしょう。

何時ものように、似たようなスペックとコンセプトのラケットと比較してみました。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)バランス(実測)
Extreme MP 300g  325mm 23/26/21mm  312g 330mm
EZONE 100 300g  320mm 23.5/26/22mm 315g 326mm
Vcore 100 300g 320mm 24/25/22mm 323g 未計測
V core pro 97 2019 310g 310mm 20.0mm 335g 318mm
Pro Staff Tour90 315g 315mm 17mm 336g 315mm

エクストリームMPのスペックは重量・バランスともお決まりの黄金系ですね。しかし実測では重量はやや軽く、バランスは最もトップヘビーな部類の330mmでした(測定誤差あり)。成程重いわけです。

フレーム厚は23/26/21mm、つまり真ん中付近が分厚く手元と先端に行くほど薄くなっている筈ですが、実物を見ると確かに手元は薄いですが、そこから先端に向かってリニアに厚くなり、リムの先端部分が一番分厚いように見えました。

まとめ

このエクストリームMPを一言で表すると、打感・パワー・スピンコントロール全てで高得点ですが、スウィングウェイトが重い事だけが欠点です。そういう意味ではBlade100 V7と似てますね。Bladeは掴み感ではなくしなり感が売りですが、何方も甲乙つけがたいです。

なので同じエクストリームでより軽量なMP Liteも今度機会があれば試したいと思います。ただ、軽量モデル(グレード)ってどれも手元の重量を削って(よりトップヘビーにして)軽量化しますよね。それだとインパクトの衝撃をラケットが吸収しづらいのか打感が硬くなってしまうんですよね。その上スウィングウェイトは殆ど変わらない。なので個人的な願望としては、MPと同じ重量でバランスを手元に移動したグレードが有れば良いのですが、残念ながらそういう商品展開をしているブランドは今はありません。