Babolat Pure drive team/light レビュー::MCタイチ.com

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Babolat Pure drive team/light レビュー

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私の中ではバボラは典型的な厚ラケで、硬くてキンキン弾くというイメージは、2004年頃に試打したバボラのラケットによるところが大です。

しかし最新のラケットを幾つか打ってみて、硬さと厚さは比例しない(ヨネックスなんかはむしろ反比例する)事が判りました。また2018年モデルのピュアドライブはかなり打感が柔らかいというレビューが多いので、私も打ってみる事にしました。

本当はノーマルのピュアドライブから試そうと思ったのですが生憎貸出中だったため、少し軽いピュアドライブ チームと更に軽いピュアドライブ ライトを借りてみました。結果的に両者はかなり似ていたので、合同レビュー(1記事)にしてみました。

スペック

スペック比較表が毎回増えてちょっと長くなりすぎたので、今回はピュアドライブ兄弟と参考比較としてVcore100だけ記載しました。

製品名重量バランスPフレーム厚重量(実測)
Pure drive light 270g 330mm 23-26mm 285g
Pure drive team 285g 320mm 23-26mm 300g
Pure drive 300g 320mm 23-26mm ?
Vcore 100 300g 320mm 24/25/22mm 323g

一番上のピュアドライブ・ライトは何と270gしかなく、チーム→ノーマルへ行くにつれ15gづつ重くなります。バランスPは当然ライトが最も先端寄りの330mmで次のチームが320mmですが、ノーマルも同じ320mmなんですね。ということはチームは軽い割には先端寄りのバランスではなく、その意味では私好みです。

一方実測重量ですが、ライトの方は前人未到の285g(ガット含む)と出ました。ラケット単体が軽いのは確かですが、通常は25gほど重くなる装備重量(ガット等を含む)が15gしか重くないのは、何時ものオーバーグリップテープが巻かれていないからでしょう。同じくチームもグリップテープ単体重量から15gアップの300gで歴代2位の軽さでした。

因みに見た目というか形状という意味では、チームとライトは全く一緒ですね。フェイスの形状やサイズ、横から見た時の厚みも全く同じにしか見えませんでした。カラーリングも同じで違うのはグリップの色だけです。なのに重さが違うという事は、中空のフレームの肉厚が違うんでしょうね。こんなに軽くしてもこんなに高剛性に出来るとは、CFRP恐るべしです。

試打レビュー

先ずピュアドライブ・チームから、スウィングウェイトはVCORE100のヘッドを更に軽くした感じで相当軽いですね。なのにパワーはVCORE100に勝るとも劣らない。私が体感した中では史上最強のパワーウェイトレシオです。ただ打感は世評に反して全然柔らかいとは感じませんでした。シャキシャキと甲高い振動でホールド感は希薄、ラケット全体の撓りもゼロという典型的な厚ラケでした。

そしてピュアドライブ・ライト、借りてから素振りもせずに打ち始めたのですが、不思議なことにチームと然程変わらない打球感でした。ただ僅かながらボールに対して打ち負け感が強く、チームでも軽すぎるほどなのにそれより更に軽いラケットは少なくとも私には不要だと思いました。ライトだけ返却期限短かったこともあり。試打は初日で終了しました。

さてチームに話を戻すと、これも軽さ故の打ち負け感はありますね。加えて打感が淡白なので、もっとフェイスを撓ませてホールド感を得ようとハードヒットしすぎてしまいます。その結果、広いフェイスの割にミスヒットが多く、打感が硬い→打ち負け感→ハードヒットという悪循環に陥ったようです。

実はこの自己分析に至ったのは、試打初日から数日空けた2日目でした。ふとしたことから、かなり軽く打っても結構飛ぶ事に気づいたので、何時もと同じスイングを心がけるとちゃんとコントロールされたパワフルなボールが打てるではないですか。そう、ピュアドライブはより重いラケットと同じ打ち方で、同じ威力のボールが打てるラケットなのでした。

逆に言うと、軽いからと言って普段よりスイングスピードを上げ、尚且スウィートスポットで打てたとしても、球速が上がる訳ではないようです。同様にトップスピンをグリグリかけてやろうと、速いワイパースウィングをしたところで、大してスピンがかかるわけでもありません。むしろナチュラルスピン狙いで厚めに当てた方が、スピードとスピンのバランスが良いボールが打てるようです。

とは言え、普段より明らかに軽いラケットを普段と同じスイングで振るのは、意外と難しいんですよね。本当はもっと速く振れるのにそれを自制するわけですから、ある意味ストレスフルです。まあ、ある程度慣れてくると普段のTour90が鈍重に感じましたが、それでもピュアドライブ・チームは私には軽すぎてコントロールし辛いです。じゃあ間をとってノーマルのピュアドライブなら良いんじゃないか?と思いきや、店頭でガットを張ってないノーマルをちょっと振ってみたところ、Vcore100と比べてもトップヘビーに感じました。

それと打感ですが、普段のスイングで打つようにしてからは多少フェイスの撓みを感じるようになり、これが世に言う「柔らかさ」かと思いました。しかしそれでも、これまで試打したラケットの中では最も硬く、球離れが良すぎると感じました。2018年のピュアドライブは打感が柔らかいとは言っても、それは「これまでのバボラと比べれば」という意味みたいですね。

考察

今回初めて、黄金スペックより更に軽いラケットを試した訳ですが、それで判ったのは「パワー的に十分ならラケットは軽いほど良い」とは限らないと言うことです。適切なスイングを無意識に確実に行う為には、ある程度の重さは必要なんですね。それにいくら軽量でパワーが有ると言っても、重量が軽いほどオフヒットでブレる、つまりスウィートエリアが狭いというのが基本原則なはずです。

メーカーのテストではグリップ部分を万力のようなもので固定し、それに空気砲でボールをブツケて跳ね返ったボールの速度や方向性を評価するらしいので、その場合ラケットの重さは関係ない筈です。しかし、人間がボールを打つ場合は、ラケットと腕が手首や肘などで柔軟に繋がった状態でボールにぶつかって行くわけですから、ラケットの重さはボールの威力に少なからず影響を与えるでしょう。

また打感については、Vcore100が思いの外柔らかかったので厚ラケも良いかなと思いましたが、厚ラケの本流であるバボラを打ってみて、やはり私の性には合わないんだと思いました。他のラケットメーカーも、色々な製品や新技術を発表しながら、何処かバボラの背中を追ってるような気がしますが、少なくとも重量とバランスくらいは「黄金スペック」から脱却してほしいです。