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Street Triple 85 (TRIUMPH)

イントロ

確か2年ほど前には発売されているが、最寄りのトライアンフディーラーが閉鎖されてしまった為、試乗は半場諦めていた。しかしよく考えたら、以前DRZを買った大阪中部の店の姉妹店でトライアンフを扱っており、ちゃんとストリートトリプルの試乗車も出してたのであった。

一応85とRの違いを説明すると、先ずエンジンのパワーが違う。本国仕様のショートマフラーのまま、ピークパワーを文字通り85馬力に絞って日本の騒音規制に適合させたのが85。一方、独自のロングマフラーを装着し、騒音規制をクリアしながら、本国仕様と同じ104馬力を実現したのがRだ。

サスペンションもRがダンピング調性が可能な前後サスなのに対し、85はプリロード調節のみ。結果的に価格は85が90万円なのに対し、Rや約30万円高い119万円になっている。

ポジション/足つき/取り回し

ポジションは上体が完全に直立するMT-09と比べるべくもないが、CB650FやGSR750と比べても若干前傾がキツい。それに合わせてステップが後ろよりなので、バランスとしては悪くない。上体の前傾度の割にステップがやたら前にあるMT07より自然だと思った。

足つき性はMT09やMT07より一回り以上悪い。シート高自体は多分同じくらいだが、シートの角をかなりカットしているMT09と違い、ストリートトリプルは角が立っているので、その分又が開いてしまうんだと思う。

パワートレイン

クォーーという排気音を出して、弾けるように加速するエンジン。先代ストリートトリプルで初めて体験した、アドレナリン系エンジンのテイストだ。どんな回転数からでもロケット加速というトリプルの特性はMT-09と共通だが、回り方というか音はストリートトリプルの方がちょっと荒々しい。パワー自体も(少なくとも一般公道の回転域では)100cc大きいMT-09に負けていない。

一方レスポンスは、MT09のBモードよりは若干ワイルドだが(これも音から来る印象かも知れない)、MTのSTDモードやAモードみたいに唐突ではない。MTの人工的というか予想を外されるような感じはなく、エキサイティングでありながらナチュラルなレスポンスだった。

加速感が終始ドラマチックなので、良くも悪くもライダーのテンションが上がりっぱなし。ただ相当ぶっ飛ばしたすもりでスピードメーターを見ると、PCXでさらっと出てしまう速度しか出てなかったり、ある意味安全なバイクなのかも^^; 勿論80km/hから上の加速はPCXの比ではないが。

兎に角、本国仕様から20馬力も削られ牙を抜かれた、みたいな感触は全くなく、パワーカーブを中低速にシフトした分、公道ではむしろ力強いかも知れない(Rに試乗してないので判らないが)。

ハンドリング/乗り心地

先代(初代)ストリートトリプルは、街なかではサスの渋さを感じる一方、ワインディングでは腰砕け感があったが、新型はそのような兆候は感じなかった。外車らしくかなりの高荷重に耐えそうな腰の強さはあるが、ゴツゴツ感や突き上げ感は特に無かった。

ハンドリングはF800Rほど軽快ではなく、そこそこズッシリ・ネットリしてるが、大型直4ネイキッドにありがちな、セルフステアの強さやフロント部分のずっしりした重さが無い。リーンの軽さとセルフステアの強さ(フロントタイヤに寄る旋回性)が、丁度2気筒と4気筒の中間的な特性。

純正装着のディアブロ・ロッソは溝が殆ど無いレーシーなパタンだが、乗り心地は意外と良く、上述のねっとりしたハンドリング(接地感)も、このタイヤに寄るところ大なのかも。

総合評価

MT09が余りに衝撃的だったのでちょっと影が薄くなってしまったが、これはこれでかなりいいバイクだ。実は値段も車重もパワーも殆ど変わらない。MT09のポジションやスタイルが特殊で馴染めないという人にとっては、普通のネイキッドに近いストリートトリプルの方がマッチすると思う。

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