バイクインプレNEO by MCタイチ

バイク(&クルマ)試乗インプレ

RSS

TWINGO (ルノー)

イントロ

リアエンジンの小型車ということで気になっていたルノー・トゥインゴに試乗した。グレードはインテンス(キャンバストップ):つまりZen(ノンターボMT)でもGTでもない普通の0.9Lターボ+DCT仕様。年式はよくわからないが試乗した年に合わせた。

居住性/装備等

ドアを開けるとフロアが妙に高い事に気付くが、これはEV仕様を作るにあたりバッテリーを収める為に上げ底になってるそうだ。更にフロアからシート座面の高低差は普通にあるので、着座位置は地面から結構高い位置にある筈だが、座ってみると特に腰高感は無い。少なくともアップライトでやや見下ろすようなポジションを好む僕にとっては丁度よい感じ。

更にシートも僕好みというか、キュートな見た目に反してコシが強くシッカリしたタイプ。体重の軽い人だと硬く感じるかも知れないが、こういうシートの方が疲れにくいと思う。リアシートもシッカリしているが、空間としては日本の軽ハイトワゴンなんかより狭い。

インテリアのプラスチックは日本車のように繊細な感じではなく、安っぽいとは言わないまでもやや無骨な感じ。インパネの造形なんかも日本のコンパクトカーなら20年前からあるようなかわいい系だが、無骨な質感のせいか逆に軽みたいな軽薄さがない。

外車でよく問題になるペダル配置については、中央にオフセットしすぎてるとは特に感じなかった。ただ私がガニ股だからかも知れないが、アクセル操作をする右足が時々ホイールアーチに引っかかる感じがした。これが本来の左ハンドルならホイールアーチが左足のフットレストみたいになって丁度良いんだろうけど、右足のフットレストは必要ないからなあ。そういう意味でもクルマは左ハンドルの方が合理的なのかも。日本も右側通行にした方が良いという話は時々出てくるが、まあ実現しないだろう。

それとこれも『外車あるある』だが、ウインカーとワイパーのレバーの位置が逆なのはやはり困る。今回の試乗ではウインカーだと思ってワイパーを動かしたのは最初の2回で済んだが、込み入った状況で咄嗟に操作したら十中八九間違うと思う。逆にもしこの配置に完全に慣れてしまったら、今度は日本車に乗った時にミスを連発するだろう。ペダル配置と違ってこういうのは単なるスイッチなので、右ハンドル仕様を作るのはそんなに難しくない(然程コストがかからない)と思うけどね。そう言えば英国向け仕様でもこうなってるんだろうか?(→答えはコメント欄へ)

トランクルームについては確かに床は高いけど想定の範囲内。普通のFF車で発泡スチロールの小物入れとかで床面を嵩上げし、倒したリアシートと面一にした場合と大差はないと思う。ただその代り、ボンネットフードの下に多少物を置けるのかと思いきや、そこはバッテリーやウォッシャー液タンクがあるだけで、ラゲッジスペースは全く無いらしい!

まあこの辺は「小型車なんだから狭いのは当たり前」という欧州車的な割り切りだろう。あるいは「トゥインゴが狭いならメガーヌに乗れば良いじゃないというマリー様風のイヤミか(^_^;) いやいや、細かなところに気を配る女っぽい日本のオ・モ・テ・ナ・シとは一線を画す、フランス流の男気(頑固さ)と理解しておこう。

一方(セールストークも含めて)安全性能については手を抜いておらず、フロントのみならずサイドのクラッシャブルゾーンも大きく取られている(ドアの外板とシートとの隙間が大きい)。 またサイドエアバックも、開くと上から下まで覆うので一種のカーテンエアバッグのようになるらしい。

エンジン/ミッション

前置きみたいなのが長くなってしまったが、エンジンについては兎に角静かでトルクフル。900ccとはいえターボ付きなのでそれなりに力強いだろうとは思っていたが期待以上だった。タコメーターが無いので具体的な回転数は判らないが、音から察するにアイドリングのちょっと上くらいで街中なら大体走れてしまう。よってブーンという低周波音は微かに聞こえるが、回転を上げた時のガーガーした耳障りな高周波音が無いのでとても静かに感じる。

低回転だけで走れるという事は、それだけ低速トルクが強力という事。幹線道路の長い坂も静かなままスイスイ登れてしまう。ギア比も高めみたいで、70km/hちょいでも5速でユルユル走ってた。トップの6速はオーバードライブ的なギアらしいので、かなり低回転で高速巡航出来そう。スイフトRStの1Lターボも静かでトルクフルだと思ったが、Twingoと比べたらスズキらしく高回転型なのかと思ってしまう。

アクセルレスポンスという意味でもドライバーの操作に対し率直で、パッと開ければパッとトルクが出てくる。こういうクルマに乗ると、今日の多くの日本車がモード燃費重視で、プリウスほど極端ではないにせよ、燃料を出し渋ってドライバーに対し面従腹背的な制御をしていることを再認識する。

ミッションはルノーがEDCと呼んでいるデュアルクラッチAT(所謂DCT)だが、とてもスムーズだった。おそらく意識して耳をすませたり意識して急加速しない限り、変速した事に殆ど気づかないと思う。減速時に自動的にクリッピングしてシフトダウンするかすかな音を聞いて初めて「そう言えばこれDCTだったんだ」と気づいたほど。まあ最近の日本のCVTで滑り感を覚えることは稀だが、こういう車に乗るとメタルタッチだけで動力が伝達されるミッションはやっぱり良いと思う!

ハンドリング/乗り心地

乗り心地は走り出しではちょっとゴツっとした感触もあったけど、70km/hくらい出すとドッシリフラットになる。柔らかくはないが大入力でも衝撃を吸収する、ネットリ・ドッシリした欧州車テイスト。足回りを固めた日本車のビシビシ突き上げるような乗り心地とは似て非なるもの。バイクで言うとドゥカティのシャシに似ているような。

ハンドリングも意外とドッシリ・ネットリしたタッチ。リアエンジンから期待するような鼻先の軽さはあまり感じないが、逆に不安定さも感じない。じゃあ良くも悪くも普通のFF車と同じなのかというとそうでもない。多分この安定感をFFで出そうとすると回頭性が鈍重になりすぎ、それを避けるために足回りを固めるとビシビシの硬い乗り心地になると思われる。

それとよく言われる小回り性能は確かにスゴイ。ディーラーのエントランスで試したら、うちのティーダから余分に1回転ほどハンドルが切れ、ロックするまで切ると殆どその場で旋回してるような感覚。例えば、片側一車線の道でUターンする時、最初にアウトに振ったりせず対向車線で路肩にはみ出たりもしないで、対向車線の普通の位置に逆向きに収まっているイメージ。

ただ残念ながらというか当然ながら、普通の街中でこの小回り性能の恩恵を感じることは他になかった。車庫入れでも大分切れ角が余ってる感じ。勿論、切れ幅が大きいという事はライン取りの自由度が大きいと言うことなので、例えばバックで切り遅れた時でも秘伝の直角ターンを決めれば、切り返し無しで車庫に収まるだろう。

総合評価

フランス車に乗るのは多分初めてだが、よく言われるような包み込むようなソフトな乗り味はあまり感じなかった。その代りもっと骨太でスポーティーな印象。だからフランス車=「小粋なパリジェンヌ」みたいな陳腐な売り方はもうやめて、「名ばかりのコンパクトスポーツは道を開ける。さもなくば無理に張り合って自爆する」みたいなキャッチコピーで殻を破ったほうが良いのではないか?

勿論、日本車のようにハイブリッドでも自動ブレーキ装備でもなく、おまけに室内はスペースは軽ハイト系より狭いのに、200万円近い価格となると一見して割高感は否めない。ただターボエンジンと上質なシャシを考慮して、同様の装備と性能を持つスイフトRStと比べると、価格差は数十万円(グレードによる)となり、乗り心地の良さの対価と考えれば然程高くないと思う。

一方、同じ欧州AセグメントのライバルであるVWのUP!は、ボディーがガッチリしてるのは一緒だが、もっと軽快なハンドリングだった。これはこれで好印象だし普段の街乗り低速領域ではむしろあっているだろう。またインテリアデザインはトゥインゴより洗練されてると思う。ただいかんせん、UP!はあのシングルクラッチのオートミッション(スズキで言うAGS)の評判が悪すぎた。個人的にはAGS贔屓なのでもっと熟成されれば気にいると思うが、日本の市場では最早どう足掻いても汚名返上は難しいだろう。

その点、トゥインゴは最初から完成度が高いDCTで出してきたし、エンジンの出来もシャシも上質。スタイルもキュートで個性的。バリュー・フォー・マネーはUP!と並んで欧州車最強クラス。最近何気に値段が上がってる軽以外の日本車とあまり差がないと思う。

まああまり褒めると、日産を経営統合して完全に支配したがっているルノーとその背後に居るフランス政府に塩を送るようで気が引けるが、本当に良いんだからしょうがない。この際逆転の発想で『ゴーン社長、日産資金流用還元セール』とか『ルノーVS日産、ゴタゴタ訳あり特価』等と銘打って大幅値引きしてくれたら買っちゃうかも(^_^;)

TWINGO に関するコメント

MCタイチ

記事内に書いた「英国で走ってるクルマのウインカースイッチは何方に有る?」という疑問、答えはなんと左側。理由はISOでウインカースイッチは左(ハンドルの左右に関係なく)と決まってるかららしい。https://www.webcg.net・・・

まあ欧州内で英国は多勢に無勢、欧州大陸のメーカーが「一々右ウインカースイッチのコラムを設定するなんて面倒」と言えば工業規格はそちらに流れるよなあ。一方で欧州から離れた日本やオーストラリアではISOを無視して右側ウインカーを通していると。

では規格統一やコストダウンの話は別にして、運転する上で何方が合理的かといえば、右ハンドルなら右ウインカースイッチだと思う。何故ならドライバーの左、つまり車体中央にはシフトレバーやインフォテイメント関係があり、左手でそれらを操作しないといけない。なのにウインカースイッチも左側だと左手ばかり稼働させられるから。

まあでも、欧州メーカーが日本や英国ましてやオーストラリアの為に、右ウインカースイッチを設定する事は無いでしょう。何と言ってもホーム以外の世界の巨大市場は米国と中国で、それらは何方も左ハンドルだから。よって日英豪の欧州車ユーザーが文句を言っても「大して売れないガラパゴス市場に合わせる義理はない。嫌なら無理に買わなくて良い」というの欧州メーカーの本音だと思う。

コメントする

お名前:

コメント:

※スパム対策:MCタイチが現在乗っているバイクは?"PC"

※Facebookアカウントでのコメントは中止しました。

最近のコメント[RSS]

▲Page Top