バイクインプレNEO by MCタイチ

バイク(&クルマ)試乗インプレ

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EC-03 (yamaha)

エンジン/ミッション

原付一種(50cc)枠の電動バイクなので、定格600Wのモータを搭載する。

先ずパワーモードでの評価は、出だしの加速(約20m、25km/h程度まで)は良好。我電気カブ及び、これまで乗った原付一種の中華バイクより一回り力強い。

ただ急な上り坂に差し掛かると減速を始め、30km/h以下まで落ちて何とか走るレベル。この辺は電気カブと大差ない。もっともそこまで頑張っても、モータが発熱し煙を吐いてしまうような事はない。インホイールモータを触るとホンワリ暖かい位。

一方下りの加速は当然俊敏。しかし50km/hでリミッターが作動し(スペック上の記載は45km/hが上限)それ以上加速しなくなる。それは単に電流をカットしてあとは重力で走行してるというよりは、はっきりブレーキングした位の減速感がある。下り勾配を感知するかのごとくブレーキ力を調整し正確に51km/h位をキープしていた。

次にノーマルモードでの評価:出だしの加速からして緩慢になる。そして上述の速度制限が30km/hで起きてしまう。これでは周りの交通に対して明らかに危険を感じる遅さ。このモードで走る人がいるのとは考えにくく、航続距離データを良く見せる為にあるとしか思えない。

意外に良かったのはモータ(+コントローラ?)のサウンド。レトロSF映画の宇宙船としうか、「擬似エンジン音」にも使えそうな音。ブラシドDCモータのように単純に回転数に比例して音圧感や周波数が上昇するのではなく、加速でも減速でもイナーシャがある(ワンテンポ遅れる)のでちょっと生き物っぽい。

航続距離に関しては、4km走って電池残量のインジケータが1目盛り減った。全部で5目盛りなので、もし残量計と走行距離が完全に比例するなら20km走れる事になる。これは殆どパワーモードで、坂のアップダウンも信号停止も結構やった時の値なので、本当に20km走れるなら優秀だと思う。

ハンドリング/乗り心地

車両重量は56kgしかないが、その割りに跨ってバンクさせた感じは軽くない。縦型電池パックとシート直下の充電器により、重心が高めなんだと思う。

走り出すとカブに比べ明らかに不安定なハンドリング。原付スクーターに慣れてないと、Uターンだけでなく普通のコーナリングもフラフラしてしまう。小径ホイールと高重心な車体の特性がそのまま出てる感じ。

乗り心地もイマイチだが、それより路面の凹凸で車体が不安定になるのが怖い。路肩を走って右からクルマに抜かれる事が多いのでヒヤヒヤする。インホイールモータの影響よりもサスペンションが絶対的にプアーなんだと思う。

ポジション/足つき/取り回し

シート高は多分原付スクータとしては高めだと思うが、車体が非常にスリムな為に、足つき性は良い。(ノーマルカブより少し良い)

ハンドルが近くて若干窮屈なポジションは、原付スクータとしては仕方ないのかもしれないが、ハンドル幅は狭すぎるような気がする。膝の曲りはきつくなく、足元はゆったり系。

しかし、原付スクータでも当たり前になっているメットインスペースはおろか、小さな小物入れすらないとは不親切すぎる。リチウムイオン電池にインホイールモータという組合せは、本来パッケージングの自由度が非常に高く、ラゲッジスペース的には従来のガソリンバイクより有利なはずなんだが・・・

総合評価

今回初めて公道で試乗して、狭い屋内コースでは判らなかった部分を発見できた。加速の良さや予想航続距離など全体的な印象は好転したが、50km/hで本当にぶった切ってしまうリミーターにはびっくり。バイク屋の話では旧電気パッソルではそのような制御は無かった(下りだと70km/h位出た)そうなので、なぜ今回からそんな仕様にしたのかは謎。

勿論、原付一種の30km/h制限や電動バイクの600W/1000W縛りが根源的な問題なのは確かだが、それならそれで大メーカが政治力を生かして、規則を改正するよう政府に圧力をかけてもらいたい。

その他は「チョイノリ」にリアサスが付いただけのプアーなシャシ。前カゴが付けれるだけで、メットインはおろか小物入れも無い簡素な車体。この内容で価格は125ccスクータ並の25万円ではリーズナブルとは言い難い。

先代のEC-02には乗って無いが、巷の評判では動力性能は互角でバッテリー脱着式。そして価格は補助金を含め15万程度という。その後継者がこの内容では、ヤマハが本気で売ろうとしてるとは考えにくい。「エコは売りたいが、電気バイクは金にならん」という社内事情がミエミエ。

全国でこのバイクの試乗会キャラバンをやっているが、何処も屋内やショッピングモールの一角といった超狭いコースばかり。そんな場所で「静かー、意外とパワフル」みたいな素人の反応を期待するような企画はそろそろ止めにしてもらいたい。公道で他のバイクやクルマと堂々と勝負できるようにならないと、電気バイクはいつまで経っても「エコマニアの遅い乗物」の域を出ない。

もし電動アシスト自転車の兄貴分的ポジションで売ろうとしてるなら自殺行為。上りで30km/h、下りで50km/hが最高。でも近所にお買い物なら充分だね、と言う事なら電動アシスト自転車でOKだ。その方が遥かに安くて、税金もかからずヘルメットも要らず歩道も走れる・・・と皆気付くと思うよ。

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EC-03 に関するコメント

MCタイチ

公道で初試乗したので、インプレを大幅に改定しました。厳しい意見が多いのは、EVのポテンシャルはこんなもんではないと思ってるから。

AVE

私も、EC-03はとても気になっており、先日バイク店で公道試乗しました。

最初の印象は、電動バイクは思っていた以上に良くできている。と感じました。
ただ、その分そうでないところがやっぱり余計気になってしまいます。例えばリミッターや簡素すぎる車体のつくり・・・すべては航続距離のためなのか。

私は通勤で原付二種を使っているのですが、最低でもメットインのあるスクーターの形とそれなりの動力性能と航続距離がないと乗り換えするのは厳しいです。

それと、試乗をやっていた販売店には、バイクがあるだけで、メーカーの人はおらず、試乗後のアンケートも強制されないし試乗をやること自体は素晴らしい事ですが、いろいろ疑問も感じました。

MCタイチ

AVE様 コメント有難うございます。

先ず、僕は幾つかの中華電気バイクに試乗したし、自分でも作ったくらいなので、大メーカの製品に対する期待度が高くなりがちです。しかし、電気バイクに始めて乗る人ならEC-03の走りには結構感動すると思います。

リミッターや遅すぎる「ノーマル」モードはカタログ上の航続距離を伸ばす為だと思います。単純に電流を制限してしまえば距離は伸びますから。現実には20km位しか走らなくても、それは「Power」モードにしたからだと言い訳できます。

また、簡素な作りは表向きは「軽量化の為」かも知れませんが、明らかにコストダウンの為でしょう。殆ど以前の電気パッソルに充電器をつけただけ。これでもし12万円くらいなら買っても良いですが・・・

仰るとおり、今原付スクーターに乗ってる人が、ユーティリティーや動力性能など冷静に考えてこのEC-03に乗り換えるとは考えにくいです。

販売店にメーカの(それも技術部門の)人間が来る事は普通無いですが、販売店のスタッフ自身、商品の事を良くわかってないと思いますね。

というわけで、このバイクで一番疑問なのはメーカーの姿勢です。どういうユーザに何をアピールしたいのか判りません。次期モデルへの要請や原価回収など、社内事情を積み上げたらこうなった、という感じがします。

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